夢をメモするからユメモ。秩序も筋道もないユメモ。
高校生だった。
校内はスーパーのフードコートのようなものがあり、マクドナルドや菓子店などが入っていた。
食事をするためのスペースと、買い物をするためのスペースは、廊下を一本隔てていた。
売店の集まる場所には、入り口にガラスの自動ドアがあった。
昼休みや放課後などに利用する生徒が多くいた。
私も友人と、おやつを買ったりしていた。
卵を使った黄色の丸いカステラの中に、カスタードクリームが入っていた。
先生も売店を利用しており、時々、図書室の先生を見掛けた。
図書室の先生は人気があって、男子生徒が、
「先生、一緒に食べよー」
などと、誘ったりしていた。
先生は、仕事があるはずなのに、
「しょうがないわねぇ、じゃあちょっとだけね」
と、生徒のお茶に付き合ってくれた。
私もこの、穏やかで優しい先生が好きだった。
私は日課のように図書室へ通っていた。
広い図書室だったような気がする。
私は3年生だったが、進路が決まらずにいた。
周りの友達は、どんどん決まっていくようだった。
私には、進学も就職も選べなかった。
病気だから、何もできなかった。
高校を卒業した後は、療養生活をすることになっていた。
進学も就職も決められない自分が嫌で、引け目のようなものを感じていた。
図書室へも、足を運ぶことがなくなった。
あの先生に、情けない自分を見られたくなかった。
しかしある日、私は図書室へ行った。
広い図書室で、先生が私を見つけて、
「ゆきさん、久しぶりね」
と言ってくれた。
先生は、私の進路が決まらないことを知っているはずなのに、変わらず優しかった。
私が進路について気にしていることがわかるように、先生はその話題に触れなかった。
何か優しい言葉をかけてくれた気がする。
卒業式の日、式の始まる前の慌ただしい雰囲気の中、たまたまその時一緒にいたクラスメイトが、
「ゆきちゃん卒業したらどうするの?」
と、尋ねてきた。
まぁ会話のきっかけとしては当たり障りのない、この時期の私たちならよく交わす会話なのだろう。
背中まで真っ直ぐに伸びた黒髪の子で、眼鏡をかけていた。
黒髪も眼鏡もよく似合う、顔立ちの綺麗な子だった。
彼女に悪気がないのはよくわかっていた。
しかし彼女の言葉は私の心を曇らせた。
私は、病気のため進学も就職もできないことを話した。
それから彼女は進路の話題は出さなかった。
私は、自分の高校生活を振り返っていた。
私のここでの思い出は何だろう、と思った。
部活動も熱心にしたわけではない。
部室に入り浸ったこともあったが、他の部員ほどの感慨を私は感じていないだろう。
図書室が居場所だったような気もするが、それももう遠くに行ってしまった。
私には、これという思い出が見つけられなかった。
私の高校生活は空虚だったのだ、と思った。
そして、先へ進む道もない。
何だか虚しかった。
そういうことに耽りながら、クラスメイトと廊下を歩いた。
紅白幕で彩られた華やかな式場とは対称的に、そこから伸びる廊下は薄暗かった。
外の天気が荒れていたのだろう。
校内はスーパーのフードコートのようなものがあり、マクドナルドや菓子店などが入っていた。
食事をするためのスペースと、買い物をするためのスペースは、廊下を一本隔てていた。
売店の集まる場所には、入り口にガラスの自動ドアがあった。
昼休みや放課後などに利用する生徒が多くいた。
私も友人と、おやつを買ったりしていた。
卵を使った黄色の丸いカステラの中に、カスタードクリームが入っていた。
先生も売店を利用しており、時々、図書室の先生を見掛けた。
図書室の先生は人気があって、男子生徒が、
「先生、一緒に食べよー」
などと、誘ったりしていた。
先生は、仕事があるはずなのに、
「しょうがないわねぇ、じゃあちょっとだけね」
と、生徒のお茶に付き合ってくれた。
私もこの、穏やかで優しい先生が好きだった。
私は日課のように図書室へ通っていた。
広い図書室だったような気がする。
私は3年生だったが、進路が決まらずにいた。
周りの友達は、どんどん決まっていくようだった。
私には、進学も就職も選べなかった。
病気だから、何もできなかった。
高校を卒業した後は、療養生活をすることになっていた。
進学も就職も決められない自分が嫌で、引け目のようなものを感じていた。
図書室へも、足を運ぶことがなくなった。
あの先生に、情けない自分を見られたくなかった。
しかしある日、私は図書室へ行った。
広い図書室で、先生が私を見つけて、
「ゆきさん、久しぶりね」
と言ってくれた。
先生は、私の進路が決まらないことを知っているはずなのに、変わらず優しかった。
私が進路について気にしていることがわかるように、先生はその話題に触れなかった。
何か優しい言葉をかけてくれた気がする。
卒業式の日、式の始まる前の慌ただしい雰囲気の中、たまたまその時一緒にいたクラスメイトが、
「ゆきちゃん卒業したらどうするの?」
と、尋ねてきた。
まぁ会話のきっかけとしては当たり障りのない、この時期の私たちならよく交わす会話なのだろう。
背中まで真っ直ぐに伸びた黒髪の子で、眼鏡をかけていた。
黒髪も眼鏡もよく似合う、顔立ちの綺麗な子だった。
彼女に悪気がないのはよくわかっていた。
しかし彼女の言葉は私の心を曇らせた。
私は、病気のため進学も就職もできないことを話した。
それから彼女は進路の話題は出さなかった。
私は、自分の高校生活を振り返っていた。
私のここでの思い出は何だろう、と思った。
部活動も熱心にしたわけではない。
部室に入り浸ったこともあったが、他の部員ほどの感慨を私は感じていないだろう。
図書室が居場所だったような気もするが、それももう遠くに行ってしまった。
私には、これという思い出が見つけられなかった。
私の高校生活は空虚だったのだ、と思った。
そして、先へ進む道もない。
何だか虚しかった。
そういうことに耽りながら、クラスメイトと廊下を歩いた。
紅白幕で彩られた華やかな式場とは対称的に、そこから伸びる廊下は薄暗かった。
外の天気が荒れていたのだろう。
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