夢をメモするからユメモ。秩序も筋道もないユメモ。
けれども私たちはPから逃げることに失敗してしまい、また、いつの間にか増えたPの友人の二人に、痛め付けられた。
泣いても叫んでも、Pたちが逃がしてくれることはなく、再び地獄絵図のような時間が訪れた。
必死に藻掻いて逃げようとするうちに、私は玄関の付近に自分がいることに気付いた。
『そうだ、外に逃げよう!』
私はボサボサの髪にパジャマのまま、外へ飛び出した。
外は、夏の強い日差しが照っていた。
家の中の惨劇が嘘のように、外は明るい光と鮮やかな色に満ちていた。
庭木の手入れをする、向かいの本家の奥さんが目に入った。
「助けて!」
叫んだけれども、歳をとって耳の遠くなった彼女には届かないようだった。
もう一度言ってみようかとも思ったが、追っ手がすぐに来るのがわかっていた。
耳の遠い彼女に説明する前に、Pたちに捕まってしまうと思った私は、妹のことを気にしながらも、家の前の細い道を、道路に向かって走りだした。
「助けて! 誰か!」
裸足にアスファルトが固かったが、構ってはいられなかった。
「誰か! 110番してください!!」
人通りのほとんどない真昼の田舎道では、誰にも聞こえないのではないかと不安だったが、それでも叫ぶしかなかった。
「誰か~、110番~漢和辞典貸してくださーい」
追い付いたPたちが、馬鹿にしたようにからかう声で言った。
何故辞典なのかはわからないが、通報した時に要るらしい。
そんな風な声が混じったら、誰かに聞こえたとしても、若い者の悪ふざけで終わってしまう。
彼らがそれをわかって言っているのを私もわかっていたが、走るスピードを緩めず、誰かに気付いてもらえるようにと願うしかなかった。
Pたちが二人で来ていたので、妹はもう殺されたのだろうかと思った。
多分そうだと思ったが、それでも、もしかしたら違うかもしれないと、思い直した。
妹に死んで欲しくなかった。
そうしながらふと、上の階にいた愛犬のことを思い出した。
彼らが愛犬に気付かなくてよかった、と思った。
愛犬が酷いことをされなくてよかった。
やっと道路が見えてきて、もしかしたら一人くらいは誰かいるかもしれない、と思った。
けれども私は、今にもPたちに捕まりそうだった。
Pたちは、必死に逃げる私をギリギリのところで捕まえずに、遊んでいるようにも見えた。
そしてついに、あと一歩で道路に出られるというところで、私は前へ回り込んだPに、捕まってしまった。
アーッと叫んで私は、殺された。
暴行されたことよりも、殺されたことが悔しかった。
被害者を全員殺して口を封じた彼らは、これからものうのうと生きていくのだと思うと、それが何より悔しかった。
泣いても叫んでも、Pたちが逃がしてくれることはなく、再び地獄絵図のような時間が訪れた。
必死に藻掻いて逃げようとするうちに、私は玄関の付近に自分がいることに気付いた。
『そうだ、外に逃げよう!』
私はボサボサの髪にパジャマのまま、外へ飛び出した。
外は、夏の強い日差しが照っていた。
家の中の惨劇が嘘のように、外は明るい光と鮮やかな色に満ちていた。
庭木の手入れをする、向かいの本家の奥さんが目に入った。
「助けて!」
叫んだけれども、歳をとって耳の遠くなった彼女には届かないようだった。
もう一度言ってみようかとも思ったが、追っ手がすぐに来るのがわかっていた。
耳の遠い彼女に説明する前に、Pたちに捕まってしまうと思った私は、妹のことを気にしながらも、家の前の細い道を、道路に向かって走りだした。
「助けて! 誰か!」
裸足にアスファルトが固かったが、構ってはいられなかった。
「誰か! 110番してください!!」
人通りのほとんどない真昼の田舎道では、誰にも聞こえないのではないかと不安だったが、それでも叫ぶしかなかった。
「誰か~、110番~漢和辞典貸してくださーい」
追い付いたPたちが、馬鹿にしたようにからかう声で言った。
何故辞典なのかはわからないが、通報した時に要るらしい。
そんな風な声が混じったら、誰かに聞こえたとしても、若い者の悪ふざけで終わってしまう。
彼らがそれをわかって言っているのを私もわかっていたが、走るスピードを緩めず、誰かに気付いてもらえるようにと願うしかなかった。
Pたちが二人で来ていたので、妹はもう殺されたのだろうかと思った。
多分そうだと思ったが、それでも、もしかしたら違うかもしれないと、思い直した。
妹に死んで欲しくなかった。
そうしながらふと、上の階にいた愛犬のことを思い出した。
彼らが愛犬に気付かなくてよかった、と思った。
愛犬が酷いことをされなくてよかった。
やっと道路が見えてきて、もしかしたら一人くらいは誰かいるかもしれない、と思った。
けれども私は、今にもPたちに捕まりそうだった。
Pたちは、必死に逃げる私をギリギリのところで捕まえずに、遊んでいるようにも見えた。
そしてついに、あと一歩で道路に出られるというところで、私は前へ回り込んだPに、捕まってしまった。
アーッと叫んで私は、殺された。
暴行されたことよりも、殺されたことが悔しかった。
被害者を全員殺して口を封じた彼らは、これからものうのうと生きていくのだと思うと、それが何より悔しかった。
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