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夢をメモするからユメモ。秩序も筋道もないユメモ。
プロフィール
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ゆき
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性別:
女性
自己紹介:
夢をメモする習慣があると脳が活性化するというのは本当だろうか。

前略プロフ
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彼氏と外国へ来ていた。
食事のために、スシ屋に入った。回転寿司だった。
狭い店内の席は埋まっていて、私達は少し待つことにした。
すると近くの席がちょうど2つ空いたので、彼氏が、
「そこ座るぞ」
と、小さく指さして囁いた。
テーブルが片づけられるのを待って、座ろうとすると、別の男性がその席に座ろうとした。
あ、と思っていると、奥から、
「おい、そこは今その二人が座ろうとしていただろうが!」
と、少し大きな声がした。
それで男性は、私達に気づいた。
言葉がはっきりとわかったので、日本語だったのだと思う。
声の人物も男性も、その店の常連らしかった。
男性は、
「私は目が弱いので、よく見えない。気づかなくてすみませんでした」
という内容のことを言った。
そして席を譲ってくれたが、座って良いものかどうかと迷っていると、男性の後ろの席が空いた。
私は、
「あそこ、あそこ」
と指をさしたが、日本語がわからないらしく、通じない。
「後ろ、後ろ!」
と言ってみるが、困ったように笑うだけで後ろを見てくれない。
「Back,Back!」
と言ってみたら、ようやく気づいてくれて、私達はみんな座ることができた。

店はアットホームな感じで、客同士が仲良く話をしながら食事をしていた。
常連が多いようだった。
「日本人ならこれが好きだろう」
と、周りの人がメニューを勧めてくれた。
私はスシ屋で、醤油をかけたご飯を食べる羽目になったが、好意が嬉しかったし、おいしかったので不満はなかった。
彼氏はマイペースにスシを食べていたが。
食べながら、向かいの席にいる女性が、
「それにしても初めてなのによくこの輪に入れたわね」
と言った。
私は、
「楊海(ヤンハイ)さんが入れてくれたんです」
と言った。
ヤンハイという中国人の男性が、さりげなく輪に入れるようにと、気を配ってくれているのに気づいていた。
私が日本語で話しているのも、彼が大体の通訳をしてくれているのだと気づいていた。
私は彼らの言うことは大体わかるが、話すとなるとダメで、日本語を使っていた。
ヤンハイさんは、私の言葉に知らないふりをしていた。
私は、
「ヤンハイさん、あなた日本語ができるでしょう」
と、話しかけた。
ヤンハイさんは、じっとこちらを見て、諦めたように、
「何でわかったんだ」
と、流暢な日本語で言った。
私は彼が言語能力に長けていることを知っていた。私は彼を知っていた。

それからみんなでトランプをして遊んだ。
私はゲーム自体は知っていたが、ルールをよく覚えていなくて、
「えっとこれは1だから…出せる」
「あっ、これは17だから出せない」
などと、カードを出したり戻したりしていた。
ヤンハイさんが、
「おい、手持ちのカードを全部見せているじゃないか」
と私に言ったので、みんなが苦笑した。

トランプが終わって、人がまばらになってきた。
私はヤンハイさんと彼氏と3人で、店の隅の椅子に座って話していた。
「ヤンハイさんのことは、伊角くんから聞いていたんです」
と、私は言った。
「イスミ?ああ、イスミクンか」
と、彼は言って、
「それじゃあ君がユキか!日本にユキというやつがいると、イスミクンから聞いたことがある!」
と、嬉しそうに言った。
「そうです」
と、私は笑って肯定した。
(※楊海、伊角というのは漫画のキャラクターである)

その時、店の雰囲気にはふさわしくない様子で医師がズカズカと入って来て、女の子に向かって行った。
10歳くらいの女の子で、店の手伝いをしていた子供だった。
医師は、
「僕はあんなミスをするような人間を、弟子として置いておく気はない。この調子では君が外科医になれるとは思えない」
と、女の子を見下ろして威圧的に言った。
女の子はその外科医の手伝いをしながら勉強をしていたが、何か失敗をしてしまったらしかった。
外科医は胸にかわいい卵がプリントされていて、私は、多分彼はまだ研修医なのだと思った。
外来の患者にわかりやすく、そのプリントがしてあるのだと思った。
女の子は何も言えずにうつむいていた。
私は、自分だってまだ勉強中の研修医じゃないか、ミスのない人間なんているもんか、と思ったが、口は挟まなかった。
その研修医は、それだけ言うと、また戻って行った。
女の子は、店の隅の出入口から、外へ出て行った。
私は気になって、追い掛けて外へ出た。彼氏もついてきた。
女の子は雪の積もって凍っている駐車場に、座り込んでいた。
私は少し離れた場所に座り、確か彼女はNaoと呼ばれていたと思いながら、
「ナオ」
と、小さく呼びかけた。
ナオは黙ってうずくまっていた。
私は今度は少し声を大きくして、
「ナオ」
と、もう一度呼んだ。
ナオは無視をしていた。
彼氏が、
「Nao」
と呼ぶと、やっとこちらを向いた。
私は座ったまま、ナオに近寄った。
「外科医になりたいの?」
と尋ねた。
「あたしは彼女みたいに、コピー取りを仕事にする気はない」
と、ナオは目を合わせず言った。
「彼女」というのは、ナオの母親のことだ。
ナオの母親は、店の雑用をしているようだった。
ナオの服装から、あまり裕福な暮らしをしていないのがわかった。
ナオは貧しさに嫌気がさしていて、それで給与条件の良い仕事に就きたいと思っているようだった。
ナオは、わずかな賃金しか得られない雑用の仕事をしている母親を、冷めた目で見ているような気がした。
「コピー屋のどこが嫌なんだ」
と、彼氏がナオに尋ねた。
ナオは、それには答えず立ち上がった。
店に向かって歩き出したナオに、
「ナオは本当に外科医になりたいの?」
と、私は尋ねた。
「わからない、でも医者がいい」
というような答えが返ってきたと思う。
ナオは、金銭面で医者という職業に固執しているだけだと思った。
「医者以外のものに目を向けてみてもいいと思うよ」
と、私はナオの背中に向かって声をかけた。
子供らしくない、現実的な金銭を求めるための将来像を描くナオが、悲しかった。
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