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夢をメモするからユメモ。秩序も筋道もないユメモ。
プロフィール
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ゆき
HP:
性別:
女性
自己紹介:
夢をメモする習慣があると脳が活性化するというのは本当だろうか。

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三毛の子猫を室内で飼えることになった。
子猫は可愛らしくて、ずっと猫を飼いたいと思っていた私は、とても嬉しかった。
その猫は、それまで外で飼われていたらしい。

家族の集まる食堂は、猫の歓迎ムードに満ちていた。
普段は玄関で飼っている犬も部屋に入り、父の膝の上に座って、テーブルに両手をかけていた。



…というのが、数日前に見た夢。

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父と二人で、和紙の桜を作っていた。
わざとらしいほど濃いピンク色の桜は、何枚も何枚も重ね貼りをされて、鞠のようになっていた。
鞠の形にまで作り上げたのは、和紙で桜を切っている父。
丸くなった桜の鞠に、私は何枚目なのかわからない、のりを塗った桜を貼ろうと、手を伸ばした。
桜色とはほど遠いような、濃いピンクを鮮明に覚えている。
彼氏と高速でタクシーに乗っていた。
目的地は、私が以前、少しの期間過ごした所。
栃木県の何処か。
場所はうろ覚えだった。

彼氏が、
「もうタクシー降りて探してみない?」
と言ったが、まだ栃木県にすら入っていない。
「せめて栃木県に入ってからにしようよ」
と、私は彼氏を止めた。
彼氏は、
「あっ、そうか」
と言ったが、落ち着かない様子だった。
気が焦っているように見えた。

やがてタクシーは私の地元の寂れた商店街を抜け、やはり寂れた何処かの商店街で私達を降ろした。
私は、多少見覚えのあるその商店街を、彼氏と早足で歩いた。
日が暮れかかっていた。

そして、彼氏が昔に彼女と同棲していた家へ着いた。
久しぶりに主が足を踏み入れたその家は、3人の女子中学生が溜り場にしていた。
「不法侵入だよね。警察かな、110番110番…」
と、私は中学生達に聞こえるように言った。
しかしきちんと反省の色を見せれば、通報などしないつもりだった。

本気にして慌てた中学生のうちの一人が、奥へ走って行き、戻ってくると、
「これが領収書です」
と、焦った様子で細長い感熱紙を見せてきた。
水道光熱費の領収書で、金額は9千円弱だったように思う。
日付を見ると、8月31日~9月5日分、とある。
つまり彼女達は、31日からこの家に溜っており、そして毎日の水道光熱費はきちんと支払っているということだった。
私は中学生を少しからかって、脅すように、
「確かに31日からは払っているのがわかるけど、31日より前にはここに『いなかった』という証拠がないよね?それはどう証明するの?」
と尋ねた。
中学生にそれを証明する手段は当然なく、彼女は困ったように縮こまるだけであった。

しばらくは私の「遊び」を見ていた彼氏が、
「別にいいよ」
と、私を止める言葉を発した。
彼氏は、もう随分使っていない家のあちらこちらを軽く点検すると、いくつかのコッペパンを出した。
「いつでも来て食べていいよ」
と中学生が言われたそのパンは、給食で出た記憶のある懐かしいものだった。
私がはしゃぐと、
「学校で余ったのらしい」
と、彼氏が言った。
この頃、中学生達は帰って行った。

彼氏が以前この家で同棲していた元彼女は教師で、給食で余ったパンを置いていっているらしかった。
私は、これから二人で住もうという家に、昔の彼女のニオイが強く残っていることに不満を感じたが、彼氏は特に気にしてはいない様子だった。
彼氏にとって彼女は「特別」であり、別れた後も彼の中では彼女が「一番」なのだと私は知っていた。

「あっ、そうだ、閉まらないうちに本屋行って来よう」
と彼氏が言った。しかし私は、
「本屋なら今日月曜だから定休日で閉まってたよ」
と言った。
実際に、商店街を歩きながら私は、書店の明かりが消え、人気もないのを見ていた。
「えー本屋一軒しかないのに!」
と彼氏は当てが外れたというように騒いでいたが、私は、明日買いに行けば良いと、その件に関してはさして相手にはしなかった。

私は、元彼女の手から渡ったコッペパンを、どうしようかと少し迷ったが、給食を思い出す懐かしさに負けて、一つ口にした。
私が給食に食べていた頃とは違い、今のコッペパンには色々な味のクリームが挟んであった。
私が食べながらパッケージを見たパンは、確かピーナツクリームだったと思う。
私が半分ほどかじったパンは、チーズブッセクリームだった。
ブッセのチーズ味に挟んである、あのクリームである。
私は正直ブッセは好きではないが、色々な味のある今のパンが珍しく、クリームに関しての不満はほとんどなかった。

ただ、彼氏が私に愛情を示しながら、しかし心の底では元彼女のことを忘れられないのが、嫌な気分だった。
自分は彼女には絶対に敵わないことはわかっていたし、彼の「一番」には永遠になれないこともわかっていた。
割り切って諦めていながらも、パンをかじる私の心には影が差した。
私は憂さ晴らしをするように、
「30過ぎて結婚の話も彼女もいない男はやばいんだって~」
と言った。
彼氏には一応私という彼女がいるが、それでも、彼氏のことを皮肉った。
夢の中の彼氏は、30を過ぎている。
彼は、
「何で」
と苦笑した。
「そう言ってた人がいたの」
と、私は記憶を引き出しながら答えた。
正確には、「やばい」ではなく、「ろくな男じゃない」と言われたのだが。

私は「一番」になりたくて、しかしなれなくて、昔の彼女には敵わなくて、彼は彼女を忘れる気もなければ、忘れることもできなくて、私は何処にもぶつけられない不満を、心の奥に蓋をしてしまい込んでいた。
どうしようもない不満が、こうして時折顔を出しても、その不満を感じる以上に、彼の傍にいたい気持ちが強く、私は本当に割り切って諦めるより他なかった。
高校生くらいだった。
小学・中学と一緒だった男の子に告白された。
少し好きだったから、揺れた。
彼は結構に強引で、まだ私が返事を決めかねているというのに、抱き締めたり甘い言葉を口にしたり、まるでもう恋人になったかのように振る舞う。
私も、彼のことは嫌いでないので、それが嫌じゃない。

しかし私には遠距離の彼氏がいる。
そのことは彼も知っている。
だから私は、嫌ではなかったけれど、彼のそういった態度を許してしまっていることの、彼氏に対する罪悪感はあった。
彼氏に話したら、
「ゆきの気持ちに任せるよ」
と言われるような気がしたので、私は彼氏には話さずに一人で迷った。
彼氏の色がたくさんついた携帯は使用をやめて、その結論が出るまで古い携帯を使うことにした。
それは彼も気づいているようだった。

放課後に行われる補習授業(必須)を受けたいと思ったが、毎日のように彼が傍にいさせようとするので、何日か受けられない日が続いた。
ある木曜日に、
「いい加減授業に出ないと。まだこんなに出てない授業があるんだよ」
と、彼に時間割表を見せた。
時刻は午後7時35分。
7時半からの授業があれば、間に合うと思った。
彼も、私の授業を受けたい気持ちは理解してくれたようで、一緒に時間割を覗き込んだ。
しかし、私の時間割には、木曜の授業はほとんどなく、早い時間に1コマぽつんとあるだけだった。
彼は満足げにしていた。

遅い時間なので帰ることにして、外へ出て父に電話をした。
遅すぎて帰るためのバスがもうないのだ。
父は丁度仕事の帰りで、通り道にある私の高校は過ぎてしまっていたが、戻って迎えに来てくれるとのことだった。
電話は電波の関係なのか、何故か一度切れた。
私が彼に半ば振り回されるというか、引きずられていることに関して父は、私が迷惑していると思ったらしく、
「住所まで教えたのは軽率だったと思うよ」
と言っていた。
ちなみに私が彼に住所を教えたのではなく、補習授業を受けるための用紙に書き込んだのを彼が見たのだ(しかし私はそれを止めなかったが)。

電話を終えると彼が少し離れた後ろの方へ立っていて、
「彼氏?」
と尋ねてきた。
「お父さん。迎えに来てくれるって」
と、私は答えた。
いつも自信たっぷりで、まるで私が彼を選ぶことは間違いないとでも思っているかのように振る舞っていたが、彼にはやはり確たる自信などなく、心では不安を抱えていたのだと感じた。

私は、遠くにいても結婚まで考えていてくれる彼氏と、近くで分かりやすい愛情表現をたっぷりしてくれる彼の間で迷っていた。
彼氏とは、彼ほどに接することはできない。
しかし結婚という、現実的な二人の将来を考えてくれている。
彼は学生で、将来のことなど考えておらず、ただ今、好きな人と恋愛ができれば満足と思っているようだと、私は感じた。
彼を選べば、毎日が明るさを増すだろうと思われた。
その代わりに、将来の展望は不安定になる。


私は、迷いながら目覚めた。
誰もいない。
家中探したけど、誰もいない。
人の気配がしない。
外へ出ても同じに思われた。
強い孤独と不安を感じていた。
 
ある漫画のラフの数ページを見た。
精神世界で主人公が、失踪した恋人を必死に探していた。
彼女は様々な服装をし、恋人の気を引くための様々なことをした。
しかし、彼女の精神世界に恋人が戻ってくることはなかった。
かりそめの恋人。
「もしかしたら、頑張れば傷を癒せるんじゃないかって思ってた……」

孤独感。不安感。独りぼっちだった。
彼女も私も。
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