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夢をメモするからユメモ。秩序も筋道もないユメモ。
プロフィール
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ゆき
HP:
性別:
女性
自己紹介:
夢をメモする習慣があると脳が活性化するというのは本当だろうか。

前略プロフ
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犬がベッドから下りる音で、目が覚めた。
布団をめくって、
「おいで」
と言うと、犬は素直にまたベッドに戻った。
散歩に行くにはまだ早いと、再び眠りについた。
ベッドに戻ったはずの犬は、私が眠っている間にまた下りたらしく、下の方からカタカタと何かをしている音がする。
…そろそろ散歩へ行かなくては。
そう思って、また寝た。


犬と散歩へ出かけた。
私は眠かったが、外はいいお天気だった。

ふと気づくとベッドの上だった。眠っていた。
散歩へ行かなくては。


犬と過ごしていた。
かわいい犬と過ごしていた。
ただ、犬が傍にいるという感覚だけがあった。

ふと気づくとベッドの上で、犬の首輪を手で押さえたまま眠っていた。
いい加減散歩へ行かなくては。


犬と過ごしていた。
あのかわいい犬と過ごしていた。
ただ、犬が傍にいるという感覚だけがあった。
別段何が起きたというのでもない。

電話で目を覚ますと、犬が私の顔をべろんべろんと舐めていた。
もう本当に起きて散歩へ行かなくては_| ̄|○

…こういうことってよくありますよね。
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先日産婦人科を受診した際に、診断結果を伝えるので電話をして欲しいと言われていて、その電話をしていた。
受話器越しの医師の声は若く、診察した医師とは明らかに違った。
医師の声はボソボソとしていて聞き取りづらかった。
一生懸命耳を澄ませ、メモをとりながら電話をしていると、妹が大音量でテレビをつけ、楽しそうに話しかけてきた。
電話の声はいよいよ聞き取りづらくなった。
しばらく無視していたが、我慢ができなくなって、
「今大事な電話してんの!」
と、妹に言った。
妹はすまなそうにして、テレビの音量を下げた。
それからまた医師の話に集中すると、
「このままではお腹から石が出てきてもおかしくありませんね。出てきませんか?」
と言われた。
石は出ていない、と答えた。
「お腹から、というのは腸の方ですか?子宮の方ですか?」
と尋ねると、
「尿道ですね」
と言われた。
尿道結石ってヤツか?と思った。
医師は、カルテを見ながら話しているようで、カルテには「この患者は生意気で扱いにくい」というようなメモがいくつかしてある、と匂わせた。
そして少し嫌味っぽく、
「検査の時にノートパソコンを見たんじゃないですか?」
と言われたので、
「ノートパソコンなんてありましたっけ?覚えていません。見たかもしれません」
と言った。
少し腹が立ったので、
「見られて困るようなら目につかないとこに置いておくべきでしょう」
と言った。

その後、別の日、病院に来ていた。
婦人科の診察を終え、帰るところで、待合室に高校の同級生の姿を見つけた。
声をかけようかどうかと迷っていると、
「久しぶり!」
と、同級生が話しかけてきた。
「久しぶり」
と私は答えた。
同級生の顔はやつれ、頬がこけて見えるほどであった。
表情が、フツウでなかった。
心を病んでいるな、と確信に近いくらいに感じた。
同級生は、待合室の椅子の上に横になって、伸びをした。
「ココってリラクゼーションルームみたいで好き」
と言った。
総合病院の普通の殺風景な待合室である。
彼女のおかしな言葉は、余計に彼女の心の病を感じさせた。
「ここは健康ランドじゃないよ」
と私が言うと、
「そうだね」
と、彼女は笑った。
そして急に興奮して顔を近づけ、
「知ってる?今日K(地名)に、ディズニーの声してる声優さんが来るの!」
と話し始めた。
彼女はディズニーが好きらしく、大イベントのようだが、私はあまり関心がないので、愛想笑いをしていた。
そこへ同級生がもう一人来た。
こちらは今でも交流のある、友人である。
「久しぶり」
と、砕けた挨拶をした。
友人は同級生の状態のことをわかっているようだった。
3人で少し話して、友人が、
「ちょっとトイレに言って来る」
と言ったので、
「私も」
と、二人でトイレへ向かった。
この病院にはいたるところにトイレがあった。
トイレのドアを開けると、少し広めの個室に和式便器があった。
不衛生な臭いが鼻をついた。
誰かが落としたらしい丸まったトイレットペーパーが木の床にあったので、蹴って便器の中に入れた。
ドアの鍵を閉めようとしたら、古いようでうまく閉まらない。
念のため内側からドアを押してみると、あっさり開いて、鍵の意味などなかった。
古い病院なので、改築などを繰り返すうちに、トイレだけが残ってしまったのかもしれない、と思った。
その古いトイレは、窓が開けられ、それによって申し訳程度に換気されていた。
蹴り入れたトイレットペーパーだけを流して、私はそのトイレを使用せずに出た。
鍵がかからないからである。
トイレを出てみると、薄暗く狭い通路の、トイレと同じように木でできた壁に、少しの排泄物とトイレットペーパーがこすりつけられていた。
総合病院なので、いわゆるボケてしまったお年よりが入院していて、そういう人がしたのかなぁ、と思って、また待合室へ戻った。

待合室へ戻ると、同級生がちょうど帰ろうとしているところだった。
この時には、私は彼女の名前が「美和」だと思い出していた。
「美和ちゃん!」
と呼ぶと、下りのエスカレーターに乗った美和ちゃんが、にこやかに微笑んで、手を降りながら、やがて見えなくなった。
美和ちゃんの笑顔があまりに元気そうで、逆に不自然だった。
彼女を一人にして大丈夫だろうか、という不安が胸にあった。
美和ちゃんがエスカレーターの動きにより完全に視界から消え、私がどうしようかと迷っていると、友人が戻って来た。
美和ちゃんが行ってしまったことを伝えると、友人が焦った様子を見せた。
やはり彼女を一人にしてはならなかったのだ。

二人で美和ちゃんを探した。
「今日Kでディズニーのイベントがあるって言ってたから、電車乗るかも!」
と、友人に伝えたが、しかしKという地名はこの辺りだけでも複数あることを思い出し、
「どこのKかわかんないな」
と独り言のように付け加えた。
外はすっかり暗くなり、雪が降っていた。
街はイルミネーションで華やかに飾られていた。
明るく照らされた街の、暗い影になった場所へふと目をやると、美和ちゃんがいた。
驚いて目を丸くした美和ちゃんと目が合って、お互いわずかな時間動きを止めた。
美和ちゃんは、華やかな街とは対照的に、忘れられたように暗い場所にあるゴミ箱をあさっていた。
彼女は、大きなクリスマスケーキの箱を片手に持ち、もう一方の手では誰かが捨てた、長い棒状のお菓子のゴミを持っていた。
飴の棒のようであった。
美和ちゃんは、特にその棒が欲しかったわけでも、ゴミ箱から何か拾いたいと思ったわけでもなく、ただ意味もなくゴミ箱に向かって、何かを紛らわしているだけだと、私は感じた。
友人も私達に気づき、こちらへやって来た。
美和ちゃんは私達から逃げようとしたが、友人が止めた。
クリスマスケーキの箱が美和ちゃんの手から落ちた。
その衝撃で箱が開き、崩れてしまった2つのケーキが見えた。
友人の美和ちゃんに対する態度で、何となく理解した。
彼女は一人で2つのケーキを食べようとしていた。
美和ちゃんのケーキは、普通に家族で囲むものより一回り小さかったが、2つ合わせれば普通のケーキ1つより多くなるだろう。
美和ちゃんは、過食をしている。
彼女は一人暮らしだと直感した。
私は、保健室の先生が生徒の手当てをするときのように落ち着いたそぶりで、何も気づかないかのように、箱についた白いクリームを手でぬぐい、また元通りに箱のフタをした。
友人は、全て知っているようだった。

しかし美和ちゃんはもう、知られていることがわかったようで、雪の上にぺたんと座りこんで、泣いていた。
「美和ちゃん、どうしてこんななっちゃったの?」
と、問いかけると、激しく泣きながら、辛さを吐き出すように、美和ちゃんは話した。
付き合っていた彼氏に、「生きている価値がない」「ダメな人間」「役立たず」、そのような内容の暴言を常に浴びせられ、やがて自分でもそう思い込むようになった。
自分は生きていて良いのだと思いたい気持ちと、いや自分には生きる価値などないのだと思う気持ちとが葛藤し、我慢できないほど辛いのだということが、ひしひしと伝わってきた。
それで美和ちゃんは、その辛さを誤魔化すために過食をしたり、ゴミ箱をあさるなどの意味のない行為をしてしまうのだ。
街のイルミネーションの光がわずかに届く程度の暗いゴミ箱のわきで、私は泣きじゃくる美和ちゃんの背中をさすり続けた。
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